小伝馬町で焼肉を食べようと思ったときに、店が多すぎてどこにすればいいのか迷ってしまいます。ここ数年飛躍的に店舗数を伸ばしているのは焼肉店といわれており、その数は2023年現在でもチェーン店だけで約3,000店となっています。この数はチェーン店のみとなっているので、個人店を含めるとどのくらいの数あるのか想像が付きません。そのくらいに道を歩けば見かけるようになった焼肉店は、人口の多いエリアにおいては相当な数となっているようです。また、小伝馬町の場合はチェーン店よりも個人のこだわりのある店が多いことも特徴的。チェーン店は全国どの店舗にいっても同じようなメニューが並んでいるという安定感がありますが、同時にワクワク感や刺激は少ないのかもしれません。
一方で個人店はその店によっていわゆる当たりはずれが多いといえます。ものすごい当たりかもしれませんし、逆の結果になってしまうこともあるのです。というのは、その店はオーナーの裁量によって経営が行われているからです。小規模の店もあれば大規模の店もありますし、おしゃれな店もあれば昔ながらの庶民的な店もあります。そのため、誰といくのか、費用面などを考慮して私たちはその都度好きな店を選べます。いわゆる自由に選べる楽しさがあるのです。一般的にきれいな店やおしゃれな店であればおいしい肉を食べられそうな気もするのですが、小伝馬町の焼肉に限ってはそのようなこともなさそうです。それは、昔ながらの店にもこだわりの名店があるからです。利益度外視でお客様においしいものを提供することをポリシーとしている店は店の装飾などは二の次となっているため、そのようなことには経費を使わない傾向があります。加えて、昔からの付き合いのある仕入れ業者から特別待遇で肉の仕入れをしていることもあるので、このような店では珍しい肉や期間限定の肉が食べるチャンスがあるのです。
一方で、小伝馬町の焼肉店でも母体が精肉店という場合は同じように仕入れに強みがあるようです。この世界でも人脈は大事であることが分かります。なかには、肉牛農家が経営している場合もあり、この場合はいわゆる生産からすべて一括して同じ会社で行っているので、食の安全面でも価格面においても素晴らしい内容となっているはずです。小伝馬町の焼肉店も自分の会社で肉牛農家を経営すればコストを抑えてお客様においしい肉を提供できるのは分かっています。しかし、牛を買い、育てるところから行うのは莫大な費用が発生するため、実際には行えないのが実情です。この場合、できるだけ良質な肉を価格を抑えて仕入れるために直接生産者から仕入れることを考えます。中間マージンを発生させないためにはこの方法が一番だといわれています。
中間業者が入れば入るほど経費が上乗せされるので、お客様に安価での提供ができなくなってしまいうのです。同時に業者が間にたくさん入ることによって、時間も経過するので食材の新鮮さにも影響します。特に○○牛というように産地が入ったブランド牛は頭数そのものも限定されているので、仕入れの競争が行われていることもあるのだそうです。人気のブランド牛についてレギュラーメニューとして取り扱うことの難しさを物語っています。私たちは小伝馬町を歩いているときに、なんとなく「○○牛専門店」という看板を見かけますが、この看板を掲げるまでには見えないところで多くの方が動いた結果であることを知る由もありません。裏事情を知るとなんとなく小伝馬町で焼肉を食べるときにも今までよりもっと楽しく食べられそうです。心持ちが変わってくると1回の食事も大切にしたいと思うことでしょう。1つの店が成り立っていることは多くの努力の積み重ねの結果なのです。
